久しぶりに読書をしたいと思ってAmazonでいろいろと探していたところ、幻冬舎の見城徹の「読書という荒野」が目についたので読んでみました。
何となく手に取って読んでみたのですが、驚きの面白さ、というよりも見城徹の圧倒的努力が描かれており、めちゃくちゃアツい作品でした。
本作品は人生もっと頑張らないとダメだよなぁと思わせる、生きるモチベーションを与えてくれる作品でした。
おすすめ度 | [star4](5点満点中4点) |
「読書という荒野」はこんな作品
「読書という荒野」というタイトルを見ると読書指南書的な作品かと思いそうですが、この作品は単純にそういうものではありません。
見城徹が人生で読んで感銘を受けた作品の紹介と共に、編集者として尊敬する著名人と過ごした日々、その著名人の生き様などが書かれています。
また、この作品を読んでいると何かを語るには歴史を知っておく必要があると思わされました。
僕のような人間がうすっぺらい主張しかできないのは、歴史を知らないからかもしれないと思いましたね。
歴史を知ると事の経緯を知ることができる。不満に思っていることにも理由があると知れば稚拙な批判はしなくなるだろう…。
あと、大きなところで小説の印象が変わりました。
今までは小説とはただの物語との印象だったのですが、実は小説には作家の価値観が表現されており作家が持つ価値観を吸収できるものだと思うようになりました。
大変失礼ですが、小説はただの娯楽だと思っていたのですが180度考えが変わりました。
小説は自分の身になるものだと思えたのでこれからは読んでみようと思います。読書の幅が広がるからわくわくしますね!
自分の人生だけでは経験できることが限られているが、読書をすることで何十人、何百人分の人生を経験できるとよく言われますが、やはりこの作品でもそこに触れています。
見城徹がTwitterをしていた頃はよく拝見していて好きだったので、彼が読書を薦めるのであれば間違いないんだろうなと改めて思えました。
見城徹が関わった著名人の話も
見城徹が出版社の編集者としてこれまでに関わってきた著名人との話も書かれています。
編集者だからといって小説家だけではなく、音楽界では坂本龍一や尾崎豊との話も書かれています。
見城徹は幻冬舎の社長で何かインフルエンサーのボス的な印象が強かった(語彙力なさすぎ…)のですが、今までに見城徹が関わってきたメンツを見るとそんじょそこらの著名人とはスケールが違う人だったんだと思わされました。
それほどの人物だと思えば、この作品の内容がなお興味深くなるわけです。
今回見城徹の作品を初めて読みましたが、他の作品も読んでみようかなという気持ちにさせられました。
「自己検証、自己否定、自己嫌悪」の末、人は成長する
この作品で強く印象に残ったのは「自己検証、自己否定、自己嫌悪」という言葉。
人の成長や成功は失敗をして得られるこれらの感情の上に成り立っている。
苦労なくてして成長や成功はあり得ない。
そんな感じでこの作品を読んでいると、苦労をすることには意味があると思わされて、救われた気分になる。
苦労をすることは不幸ではなく、むしろ成長の過程であり喜ばしいことだと考えられるし、生きていることを実感させてくれるものだとも思える。
今の生活を見つめてみてください。楽にすがり付いてはいないでしょうか。
僕は残念ながらすがり付いています。最近の僕は楽にしていられる環境に身を置いています。
この作品を読んだことで、苦労と呼べるほどの環境に身を投げる勇気はありませんが、せめて今の環境で多少の苦労は受け入れて人への親切だけはしていきたいと思いました。
今の環境とは主に会社生活のことを言っていますが、各人が苦労をしており人を気遣う余裕がなくなっているために職場環境の雰囲気がとても悪いです。
会社内で仕事の押し付け合いが起きているようにすら見えます。
誰かが先頭に立ち親切心を見せれば、周りの同僚にも良い影響を与えることができ、みんなが支え合う雰囲気に変わっていくのではないかという考えです。
とにかく「苦労は勝手でもしろ」の真意に気付かされるような作品で、こういった考えに触れられるのは非常に有意義なことだと思います。
「読書という荒野」の感想まとめ
最近の世の中を見ていると「苦労は悪」という感じで、そういったところから「社畜」だの「ブラック企業」だの会社員は不幸みたいな雰囲気が漂っているように見えるんですね。
そして苦労が見境なく不幸と捉えられている、わかりやすく稚拙な表現をすると「しんどいことはやりたくない」と言っているようにしか思えないことが多々あります。
でもそれって違うんじゃないかなと思います。
苦労を乗り越えて大人になっていくのだと思うし、苦労をして社会をささえてくれている人達がいると思うのです。
また苦労は自制心を育むとも思っています。自制心を持たない人はきっと良い仕事をしません…。
苦労とは人にとって必要なものだと思います。
この作品を読んだことで、そう思えたんですよ。
そして苦労は辛いですが、それを喜びと思える感覚に少しだけ気付けたような気がします。
「読書という荒野」はそんな気持ちにさせてくれる作品でした。
おすすめ度 | [star4](5点満点中4点) |