本記事では、北野唯我氏の著書「転職の思考法」のレビューを書いていきたいと思いますが、本書の内容の紹介というよりは、今まさに転職を真剣に考えている僕自身の思いを重点的に書いていく記事になります。
実際に転職を考える人間が、本書を読んでどんな気持ちの変化があったのか、という目線で読んで頂ければ幸いです。
最初に言っておくと、転職を考えてる人だけでなく、今の仕事について悩んでいる、あるいは改めて仕事の向き合い方を考えてみたい、という人であれば読んで損はしない作品だと思います。
僕が転職を考えるようになってから現在に至るまでに悩んでいたことに対して、本書がどういう答えに導いてくれたのか、という形で紹介していきたいと思います。
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僕が転職を決断した経緯
僕がもともと今の会社を辞めようと思った理由は、大きな責任と緊張感がある仕事を理不尽だと思うくらいに僕一人に押し付けられている、と思ったからなのです。
当時は「無事終われるんだろうか」「そもそも身体が足りない、でも手伝ってもらえる人がいない」「上司に相談したが軽く流されて終わる」などなど、こんなことを常に思っていて寝ている間も急に思い出して寝られなくなる程でした。
と思ったのが本音です。
そして、携わっていた仕事を最後に退職する旨、上司に話をしたのが昨年12月のことです。
−今辞められては困る。もう少し時間をくれ。お前の後任を用意する時間が必要だ。
ということで、現在もまだ退職せずに残っています。
という気持ちもありますが、用意できなかった時は知ったこっちゃありません。半年以上時間があったにもかかわらず、後任1人用意できないような会社なら、この先が危ないだろうという判断も付けられるってものです。
少し愚痴が入ってしまいましたが、現在は退職に向け人生を考えているというところになります。
転職とは言っても何がしたいのかがわからない
僕は今の会社に不満を持っていることが、退職の一番の理由なのですが、そうすると次の仕事を選ぶ基準がわからないのですね。
理想を言うと、やりたいこと・好きなことを仕事にして生きていきたい、というのはありますが、僕には「どうしてもこれがやりたい」というものが思いつきません。
仕事のやりがいについて、考えたことがあるならば、きっとあなたも同じことを思っていることでしょう。
この「転職の思考法」には、そんなことを思っている僕の気持ちを楽にさせてくれることが書かれていました。
「やりたいこと」なんて必要ない
「好きなこと」とは何かを考えるくだりがあるのですが、以下のようなことが書かれています。
どうしてもやりたいことがあるなら、そもそも、今こんなところにいない。重要なのは、どうしても譲れないくらい「好きなこと」など、ほとんどの人間にはない、ということに気づくこと。
ほとんどの人が「好きなこと」を持っていないのは、わかっていたのですが、僕はそれは決して良いことではないと思っていました。
好きなこと・やりたいことが必要ない、という話の裏付けには以下のような話があります。
人間には以下の2パターンがいる、とのこと。
- to do(コト)型・・・「何をするのか」で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
- being(状態)型・・・どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する
僕の目につくところでは「好きなことだけをして生きていく」なんて言葉が飛び交っていますが、それができる人は本書では1%の人間だけだという。
これは1つ目の「to do型」になります。
「譲れないほど好きなこと」が見つからないのであれば、2つ目の「being型」ということになります。99%の人はこちらだと言われています。
これを読んで自分はbeing型なんだなと、妙に納得させられたんですよね。本書ではbeing型で全く問題ないと言い切っていますから。
自分にとって「やりたいこと」や「好きなこと」って何なんだろうか・・という悩みに終止符が打たれた感じでした。
仕事の楽しさは「緊張と緩和のバランス」が決める
being型の人間にとって重要なのは以下の2つの状態だという。
- 自分の状態
- 環境の状態
例え話でゲームのRPGの話が出てくるのですが、「自分が弱すぎて敵を全然倒せなかったらつまらない」という例えが出てきます。
自分の弱すぎるのは自分の状態、敵が自分にとって強すぎるのは環境の状態。RPGは倒せそうで倒せないくらいの状態が楽しいという話。
仕事の場合は、マーケットバリュー(自分の市場価値)と会社から求められるパフォーマンスがある程度釣り合うことが、仕事を楽しむ条件になるという。
確かにこれまで、何とかやり切れたって思えた時が達成感があり、自分の成長を感じられる瞬間だったと思う。
「仕事を楽しさは緊張と緩和のバランスが決める」と言われている。
気を抜くと失敗しそうな緊張感と、それを乗り越えたあとの緩和のバランスが良いと仕事が楽しくなるということ。
僕が退職を決めた理由は、まさに「大きな緊張とほぼ無かった緩和」の状態にあったんじゃないかなと思う。このままだと潰れると思っていましたから。
この緊張と緩和のバランスが悪いと感じた時が転職すべき時ということになるようです。
改めて言っておきますが、これはbeing型の人間の場合です。
自分がbeing型だと判断したら、好きなことを探すのは諦めて、やりがいや成長を感じる楽しさを求めるように考えると良いのかもしれませんね。
退職を考える時に思うこと
転職という交渉のカードを持った今、いまの会社がそこまで居心地の悪いものでもなくなりました。
退職を決めた当時は「いつまでこんな苦しい状況が続くのだろうか」と絶望的な気持ちでした。
そんな状況から逃げたくて転職というカードを出した途端に、
と気が楽になったのを覚えています。苦しいことも終わりが見えていれば、何とか耐えられるものです。
そして今となっては、そんな仕事はしないようになりました。退職に向けて手放していったからです。
と思ったんですよね。
本当は最初からこうしておけばよかったのですが、退職を決意した今のような心境でなければ、そこまで思い切ったことは、なかなか出来ないものですよ。今だから開き直ったかのように、思い切った決断が出来るのです。
そうやって自分の身を守る術を知ったということと、上司が少し僕に気を使ってくれているということがあって、今は全く緊張感のない会社生活を送っています。
そんな中、思っていることについて参考になった部分を1つ紹介します。
退職の覚悟を決めると「もう少し残っても良いかも」と思えてくる
今は正直、仕事が楽なんですよね。何もしんどいことはない。あまりにも楽過ぎて退屈なくらいです。
そうなってくると「もう少し残っても良いかな」という誘惑が生まれてくるんですよね。
そして、本書には「転職後期には、今の会社に残ってもいいかも、という迷いが生まれる」という話がずばり書かれてあります。これには驚いた。
「残っても良いかも」という考えに対して「未来のマーケットバリューを取れ」という言葉があります。
要は、ステップアップのために転職をするということを忘れるな、ということです。
もともと退職を決意した理由は、会社への不満だったわけですが、実はそんな理由ではどこの会社にいっても同じじゃないか、という懸念もあります。
そこでもう1つ付けた理由は、何を隠そう僕もマーケットバリューを高めたいというのがあったんですね。
話すと長くなるので詳しくは書きませんが、そもそも会社に拘束されるような人生をやめたいと思っています。
そうなると必然的に独立するしかないのですが、とてもじゃないけど、今の僕にはできないでしょう。
独立するためには、僕が仕事を与えてもらえるような人間にならないといけません。すなわちマーケットバリューを高めないといけません。
そういった目的もあったので、今の会社で楽をさせてもらっているようではダメなんですよね。
人間どうしても楽な方に流れていきますから、「もう少し様子を見ようかな」なんて思ってしまうわけですよ。
でも本書を読んだことで、その迷いは無くなりそうです。
転職の思考法のレビューまとめ
まだまだ面白いところがたくさんあるのですが、長くなりそうなのでこの辺にしておきますが、ここまでで書いていないことも含め、僕がこの本を読んで学べたことをまとめて終わりたいと思います。
- やりたいことはわからないままで良い
- 仕事の楽しさは「やりがいの有無」で決めれば良い
- 「もう少し残っていいかも」と思うのはダメ
- 伸びるマーケットを見つける方法
- よいベンチャーを見極める方法
- 面接官にするべき質問
- 面接後に転職エージェントに確認すべきこと
- 創設者がゼロから作った会社という船に乗せてもらっていることを忘れるな
「転職の思考法」は、転職したいと思っている人が悩むであろうことを解決してくれるし、転職したいあなたの背中を押してくれる作品であることは間違いないでしょう。
価格は1,500円ほどですが、この内容だとかなり安いと思います。
また、個人的には人事を担当する人にも読んでもらいたいですね。採用の時に優秀な人材を見極めるのにも使える知識が詰まっていると思います。
とにかく、会社員とはこうあるべきだ、という話の核心をついている作品なのではないでしょうか。
転職を考えていない人でも、仕事と真剣に向き合いたい人であれば、ぜひ読んでみて欲しい作品です。
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心境の変化をお楽しみください。