ベストセラーの「モチベーション革命 〜稼ぐために働きたくない世代の解体書〜」が[affi id=7]の対象になっていたので読んでみました。
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この本を読んだ感想を書いてみようと思いますが、最近の自己啓発本は、ただただ胡散臭いとしか思わなくなっていたので期待していなかったのですが面白かったというのが本音です。
この本は「今時の若者はー!」と若者のことが理解できない年配の人が読むと面白いんじゃないかと思います。
作者としては若者に対し「この時代を生きる参考にして欲しい」という想いがあるようですが、若者が理解をするにはちょっと難しいかもなぁとは思います。
とにかくこの本は、今時の若者と年配の世代の価値観に違いを埋めるヒントになるような作品だと思いました。
その他はこの時代を生きるための考え方や、自分の好きなことを見つける方法など。個人的にはその辺はあまり興味がないので感想はありません。
今時の若者と上の世代の違い
まずは、今時の若者と上の世代の違いは何なのかということです。
上の世代が若かった頃は今のようにモノが充実していなかった。テレビが発明され、それが一家に一台が当たり前となり、さらにはモノクロだったのがカラーになり、今や液晶の薄っぺらい省スペースの格好良いテレビが当たり前になっている。電話に関しても固定電話からポケベル、PHS、携帯電話(ガラケー)、スマホと進化した。
「もっと便利にしたい」「より良いものを作りたい」という想いで仕事をすることが会社の業績や成長、社会貢献に繋がっていると実感ができていたのだと思う。
一方、今時の若者は満たされていて「もっと便利にしたい」「より良いものを作りたい」と思うことが難しい。見つけることが難しい新しい何かを探せと無理難題を突きつけられる世代なのかもしれません。
上の世代は「俺たちの時代はなぁ!」と言うが、言葉を選ばずに言うとやりがいを感じられる仕事がそんじょそこらに転がっていた時代、やりがいを探すまでもない時代だっただけだと思う。
それなのに若者のモチベーションの低さはやる気の問題と考えているので理解し合えない。
この本では上の世代は「乾かない世代」、若者は「乾けない世代」と呼ばれているが、要するに新しいものを「生み出しやすい時代」と「生み出しにくい時代」の違いだと思う。
というところで、上の世代が期待していることを若者達に求めても無理な話だと納得ができた。
人にとって必要のないことを仕事にする時代
先に私の本音を言うと、
YouTubeやSNS、動画配信サイトを含めエンターテイメントで稼ぐことを夢見ている若者がいるが、それは人にとって必要のないものであって社会貢献にはならない。
スマホが使えるのは開発者や製造者がいるから。YouTubeなどのサイトを24時間いつでも見られるのはサイト運営者やシステムのメンテナンスに携わる人がいるから。野菜が食べられるのは農家の人が、肉を食べられるのは家畜の飼育をしてくれる人がいるから。それらが当たり前にあるのは必ずしも楽しいとは言えない仕事をしてくれる人達がいるからである。
誰かが辛い仕事をしないといけない傍ら、好きなことだけをして稼ぎたいと言っている人間はあまりにも虫が良すぎる。
・・・としか思っていませんでした。
しかしこの本を読んで少し考えが変わりました。
AIの発達によりやりたくない仕事を機械がするようになり、人間は好きなことだけをして生きられる時代に向かっているのかもしれない。
そして先述の通りインフラは満たされているので、仕事に生きがいを感じられることはあまりなく、人生が楽しくなるモノづくりに生きがいを感じる時代になっていくのかもしれません。
といったことが正しいとすると、YouTuberなどのエンターテイナーとして稼ぐとことは理にかなっていて、私のように頑なに「仕事の在り方=インフラの構築」と考えている人間は豊かな人生を送れないかもしれません。
というところで考えをまとめると、会社の仕事に新しいやりがいを見出そうと思うのはやめる。仕事はほどほどにして楽しむことに拘って生活したいと思う。これが最低限であり、その中から社会貢献に繋がるものを見つけられたらとは思っている。
残っている問題
会社の仕事にやりがいを見出すのが難しいことはわかったけど、そうは言っても会社から給料を貰っている以上、会社が求める仕事をきちんとしないといけない。ボランティアじゃないんだから。給料の対価を提供しないといけません。
若者達のその意識が低いように見える。また頑張る意味がわからないせいか成長が遅い。会社に入って3年にもなるのにまだそんなことを言っているのか・・・と思うことがしばしばある。入社3年程度では未だおんぶにだっこの状態であることが多い。
新しいものを生み出すのが難しい時代とはいっても、やることは増えていく。若者がどんどん成長してくれないと上の世代への負担が大きくなるばかりなのである。
といった悩みは解決できずにいます。
迷惑をかける前提で生きる
話は変わりますが「個人の働き方」という章で、人への迷惑についての話があったので一言だけ書いておく。
この本を読む前から思っていたけど、人は必ず迷惑をかけてしまう。人は人を不快にしてしまう。そういうものだと思う。
だから大事なのは人を許す心だと思う。
自分も必ず迷惑をかけてしまうから、他人の迷惑を許す努力をする。
「他人に迷惑をかけてはいけません」という教えには無理がある。そう思っていても自分の知らないところで迷惑をかけている時がある。
それを自覚すると他人の迷惑を許さないとは思えないんじゃないでしょうか。
まとめ
今時の若者について、どんな解釈をすれば彼らと気持ち良く付き合えるのか、長い時間悩んでいました。
この本に書かれていたことを正とするなら、若者達がどういう人間なのか、なぜ仕事に向き合う意識が低いのか、といったことが納得できます。
上の世代は本人のやる気の問題と一言で片付けがちだが、若者達が上の世代が期待しているような人間になることはないでしょう。どちらかというと上の世代が若者に寄り添わないといけないのだと思います。
インフラを支える仕事(やりたくない仕事)を人間がしなくても良くなる時代が来るまでは、この悩みは付きないのかもしれません。誰が何をしようと迷惑にならない時代になるしかない。
あと、私自身の今後の人生については、仕事にやりがいを見出すことで悩まない、どんなに意味の無いことでも楽しいと思ったら素直に受け入れる、という方針で行くことで整理をつけようと思います。